白木会員さまによる鉛筆デッサン作品



こんにちは。メッツ絵画教室新宿校で木曜、土曜を担当している講師の山田です。
今回は、白木会員さまの鉛筆デッサンをご紹介いたします。
 
 

 
 
今回モチーフに選んだのは金属製のやかんです。白木会員は入会されてから鉛筆デッサンで様々なものを描かれていますが、本格的に金属モチーフを描いたのは今作が初めてとのことでした。つるつるしていて、光を反射して、形も少し複雑。最初は「難しそう…」と思うかもしれません。
でも、いくつかコツを掴んで描けば、金属らしさはちゃんと表現できます。
 
まず大切なのは形を正確にとることです。やかんのように人工的に製造されたモチーフは、形にゆがみやズレがあると“らしさ”がなくなってしまいます。
白木会員は、焦らずに修正を繰り返すことで徐々に形を整えることができました。
H系の鉛筆を使って輪郭のシルエットをはっきりとさせたのも効果的で、金属の硬さや冷たさを的確に表現しています。
 
また、金属らしい質感を出すためには“反射”をどう描くかも重要になります。
白木会員も最初はこの反射をどう描いたらいいのか迷っている様子でした。
しかし、やかんに映り込んでいるものを「これが何か」と考えるのではなく、それらを明暗のかたまりとして捉え、明るいところは思い切って白く、暗いところは黒く、しっかりとコントラストをつけることで金属らしい光沢を出すことに成功しました。
 
白木会員は元々描写力が高く繊細な色調が魅力的でしたが、今回のデッサンではそれらに力強さやシャープさなども加わり、さらにもう一段階レベルが上がったように感じられます。
 
 

 
新しいモチーフで鉛筆デッサンを制作中の白木会員さまです。
次回作も楽しみにしております。