第21回楽々展出展作品




 
会員の皆様こんにちは、昨年はコロナ禍のおり楽々展が中止となり皆様の1年間の制作作品の成果を発表できずじまいとなりまして、大変申し訳ありませんでした。
今年もまだ新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、3回目の緊急事態宣言が発令されている状況です。そんな中、今年も会員皆様の作品発表会を中止となりますと、せっかく1年間で描き上げた努力が虚しくなります。そこで、今年は実物作品をリアルに鑑賞は出来ませんがWEB上で展覧会を敢行する事にいたしました。
出展して頂きました作品はどれも大変すばらしい作品で、コロナ禍の中でも会員皆様がいかに熱い情熱をもって作品を描いてくださっている事か、を感じ取りました。
それでは、ごゆるりと作品をご鑑賞ください。
 
 

題名 しじまのOWL
水彩画 F6号
作者 鈴木 聡美 会員
講師から
枚数を重ねる毎に描写の度合いがどんどん増していき、時間を掛けた仕事からは描き手の熱量が伝わってきます。空間性、立体感は猛烈な描き込みによって少し潰れているところもありますが、それを補って余りある描く事の喜びだったり、熱狂だったりを感じられます。今の時点での足りない部分はこの先も枚数を重ねるうちに自ずと改善されていくと思います。
 
 

題名 早朝の落合川
油彩画 F6号
作者 松岡逸子 会員
講師から
しっかりと重ねられた絵具の効果で抜けるように爽やかな朝の空気、水のせせらぐ様子が表現できています。この作品があれば曇天の気だるい日にも、元気に一日が過ごせそうです。
 
 


題名 静物
油彩画 F10号
作者 大滝美恵子 会員
講師から
静物画でありながらF10号キャンバスにモチーフを敷き詰め風景を作りました。
ホルムと色彩が飛び込んできた後、物の意味が遅れてやってきます。塗り重ねによって現れたマチュールも魅力的です。
 
 

題名 花のある家並
水彩画 F10号
作者 長谷川 光 会員
講師から
ヨーロッパの街並みが丁寧に筆を重ねて描かれています。
花の色も綺麗に発色しています。 
 
 

題名 石膏像と玉葱
油彩画 F10号
作者 堤嶋 毅 会員
講師から
モチーフそれぞれの質感の違いがとても細かく描き分けられています。
影の色が黒く濁らないように表現しているので、光があふれるような色彩の透明感が感じられます。
 
 

題名 人形
油彩画 F6号
作者 今井節子 会員
講師から
モチーフを愛でながら筆を進めたことが見て取れる、可愛らしい人形に仕上がっています。
モチーフを組んだ時に偶然あった舵輪を構成したことでシンプルですが飽きのこない構図を取っています。人形を撫でていくように塗り重ねたマチュールが暖かみを帯びて優しい印象を作っています。
 
 

題名 房総の秋
油彩画 F15号
作者 遠藤 和彦 会員
講師から
風景の楽しみはやはり季節や季候を画中に感じられることでないだろうかとこの画を見ると
感じます。含みの強い筆で引かれた絵具が豪奢です。
 
 

題名 飛び立つゴイサギ
油彩画 F6号
作者 竹尾 学 会員
講師から
鳥の羽の照り、その色合いが見事です。背景の色合いとの相乗効果ですっきりと主題を鑑賞することが出来ました。
 
 

題名 レモンの香るカフェ
水彩画 F6号
作者 米澤 里美 会員
講師から
晴れやかな景色を複数の青色を使い分け表現できています。
オープンカフェの様子も人物を配し、にぎわいも感じます。
 
 

作品名 哀
デッサン画 F6号
作者 宮越 寿雅子 会員
講師から
石膏像をモチーフにしつつ、ご自分で選んだ他のモチーフを組み合わせて描かれた作品です。
石膏像のメディチの出自を考慮しながらイメージをふくらませ独自のセンスを発揮しています。
石膏の部分も手を抜かず積極的に描いてる点も好感が持てます。爽かな一点です。
 
 

題名 小国神社
油彩画 P8号
作者 山崎 雅幸 会員
講師から
なんて美しい色彩でしょうか。水面に映り込んだ紅葉の美しさに息をも飲みます。絵の中の空間に引き込まれるうちに、細密に描かれた葉っぱや木枝が心地よく目に入ってきます。明暗を強く構成した作品でありながら、迫力だけでなく、作者の気質を投影したような柔らかな空間が作者の作品の魅力であるのは間違いないでしょう。十分に時間を掛けて絵具を積み上げた完成度も魅力を裏打ちします。
 
 

題名 滑走路
油彩画 M12号
作者 松岡 成郎 会員
講師から
空港の広い空間を良く表現できていると思います。
強い太陽光を感じさせる工夫がとても好印象です。
 
 


題名 御殿山公園
油彩画 F8号
作者 原田 和男 会員
講師から
緩やかに変化する色やかたちがとても魅力的で、風景の中に引き込まれてしまいそうです。
 
 

題名 お堀のあるまち
水彩画 F4号
作者 沖野 宏明 会員
講師から
ドライブラシ、マスキング等の水彩の技術に大変熟達されています。
水や木立の描写は見事です。
 
 

題名 異国で散歩する私
水彩画 F4号
作者 原 未夏子 会員
講師から
まず目を引くのが緑とピンクの建物です。
奥にも彩りある建物が並びます。実際の風景を元にしつつも、おもちゃ箱に飛び込んだかのようなにぎやかな印象を作っています。作者自身が少しそっけなく佇んでいるのも面白いです。
 
 

題名 紫陽花と
油彩画 F10号
作者 甲田 麻衣 会員
講師から
優しい色づかいの画面構成ですが、しばらく眺めていると作者がそれぞれのパートの強度を丁寧に計算して表現していることが分かります。たよやかな中に芯を感じる一品です。
 
 

題名 奥入瀬渓谷の径
油彩画 F 8号
作者 京角 紀子 会員
講師から
時期はいよいよ紅葉の盛りに向かう頃でしょうか、陽射しは暖かくとも清涼です。
逆光の森の色づかいが見事です。
 
 

早春の昭和記念公園
油彩画 F10号
作者 寺井 大策 会員
講師から
水面を渡る風を感じる爽やかな作品です。
何気なく描かれているようで対象をじっくり見据える気概を感じます。
 
 

題名 穴に落ちたウサギ、それでも前に進む
油彩画 F15号
作者 佐野 由子 会員
講師から
色々なモチーフが宙を舞っていてとても幻想的な作品です。
道のような線も縦横無尽にレイアウトされていて、とても動きのアル画面構成になっています。
それぞれ違う要素の丸い形も手前左下から中段右、上段左と、徐々に遠くなっていて視線誘導にもなっています。
 
 

題名 紅と猫
油彩画 P12号
作者 下田 浩人 会員
講師から
油彩画の大きな魅力である色彩が前面に押し出された作品です。単に形態を説明するための暗色の使い方と異なり、赤の中で鮮やかに配された黒色が素晴らしいです。
 
 

題名 ランプ
デッサン画 F6号
作者 崔 智姫 会員
講師から
時間を掛けて丁寧に描かれています。
ガラスの透明感、質感がとても完成度が高く表現されています。
 
 

題名 老人病院の父
油彩画 F4号
作者 三國 裕子 会員
講師から
試行錯誤され作られた絵具を何度も重ねられているのでとても複雑な表現となっており、とても魅力的です。
 
 

題名 スカイツリーの見える飯田橋駅
油彩画 F10号
作者 彦坂 實 会員
講師から
ご自宅のマンションから見た風景だそうです。よくご存じの風景である
分、空気間がとてもリアルに表現出来ていると思います。
 
 

題名 中世の街
水彩画 F6号
作者 赤崎 陽子 会員
講師から
広々とした眺望をうまく水彩絵の具の濃淡を活かして描く事に成功しているように思います。
点景の人物が遠近の表現に一役買っているのも見どころです。
 
 

題名 AとK
アクリル画 F10号
作者 亀尾 法親 会員
講師から
女性と猫がいる室内風景ですが、背景はぼかした表現にして終点を女性に絞って描いているので、主題が明確で清々しい作品です。女性の髪の毛や猫の毛など細かい質感迄丁寧に描き分けられていて高い技術力を感じさせます。
 
 

題名 漂
アクリル画 F6
作者 溝越 怜 会員
講師から
クラゲや植物をモチーフにしてペンを使用し描いた意欲作です。
普段と異なり黒い画面に白い色で描いているので、クラゲの光っている部分などよく表現できています。初めて使う画材や表現方法だったからこそ、この不思議な世界観が出てきたのかもしれません。
 
 

題名 
パステル画 F6号
作者 松岡 三恵子 会員
講師から
パステル画というと明るい色味で描かれる方も多いのですが、この作品は暗色から始めてその上に明るい色を重ねて制作されました。その結果、重圧な作品に仕上がりました。初めて暗色でのデッサンを影側に描き残す事が出来ればもっと立体感や空間性が繫がたと思います。
まだ始めたばかりのパステル画、これから色々奈現を試しながら楽しんでいきましょう。
 
 

題名 思い出のモーガン4
デッサン画 F6号
作者 久保田 豊 会員
講師から
絵の楽しみ事のひとつは愛着のあるものを表現することが出来る事です。
この作品も思い入れの深さ対象に接した経験に支えられ、大変元気ある作品になりました。
 
 

題名 「響き2021」
油彩画 F3号
作者 河浦 妙子 会員
講師から
F3号の小さな抽象画です。色は赤、青、黄色という3色のみで具体的なイメージを削ぎ落として制作されています。画面を横断する3色の帯と、そこから少しづつ外れたドット画配置されているだけなのですが、最低限の構成要素にする事で絵具は活き活きと発色し、四角い画面は作者の意志で満たされています。抽象画を描き始めたのはまだ最近の事なので今後の展開を期待しています。
 
 


題名 海
油彩画 F 6号
作者 安喰 邦夫 会員
講師から
鮮やかさ引き立てるための影の細かい描写がとても魅力的に感じられる作品です。
 
 

題名 暖冬休日の丸の内
水彩画 F6号
作者 石橋 文夫 会員
講師から
穏やかに人の行き交う東京駅の情景です。駅舎は名建築として名高いですが、高層ビルとの対比、陽射し、広場のくつろぎに焦点されているのが見事です。
 
 

題名 シクラメン
油彩画 F6号
作者 布施 實 会員
講師から
作者が描いたシクラメンの花は、丁寧に描きこまれしっかりとした絵として仕上がりました。
花の色や籠の描写はこだわって何度も塗り直したので迫力がでています。強い光に照らされてできた床の影の独特な形なども興味をもって描いているのも面白い点です。
 
 

題名 幽邃
水彩画 F8号
作者 横山 進 会員
講師から
幽邃とは漢語の景色が奥深く物静かなこととされますが長い歴史を経た土地、場所の雰囲気には圧倒されるものです。この兼六園も作者の新鮮な感動が深い水の色、樹木のかさなり、建屋の調和から伝わってきます。
 
 

題名 大覚寺
油彩画 F6号
作者 荒井 則子 会員
講師より
京都大覚寺の勅使門を大写しにせず、石舞台を囲んで少し遠くから見た構図にして、消失点と画面の中心を合わせて門扉の中央にしている事でより一層この門をシンボリックに見せています。植えられている植物の違いをしっかり描き分けられているところもこの絵の魅力になっています。
 
 

題名 日の出 大洗海岸
水彩画 B5号
作者 遠藤 敏之 会員
講師から
太陽の光が海に滲み広がる状況がリアリティのある色彩で描かれています。光と海の色は実際に作者が目のあたりにした色彩を追体験しているように感じられます。作者の近
作ではモチーフによって空の色合いを使い分けており、今作もそのイメージに知被けようと苦心したのが観てとれます。作者の持ち味である細密描写も波打ち際に活きていて、見る人を飽きさせない作りとなっています。視界の端にスゥッと臨む灯台に胸が苦しくなるような切なさを感じるのは私だけでしょうか。
 
 

題名 果物籠を持つ少年/カラヴァッジョ摸写
油彩画 F15号
作者 岡田円治 会員
講師から
図像だけではなく、技法や時代背景にまで思考をめぐらせた力作。構築的な制作は感情と理のバランスが秀逸です。
 
 

題名
デッサン画 F6号
作者 熊谷栄二 会員
講師から
デッサンながら色彩を感じる力作です。オールドルックな酒瓶のロゴの描き込みがとても効果的です。
 
 

題名 網代温泉にて
水彩画 F6号
作者 高木 忍 会員
講師から
旅の記録をシリーズで描いておられます。地ビールのラベルと奥様が繋がり、旅情をたたえる作品です。
 
 

題名 Souvenirs de Paris-思い出
水彩画 F6号
作者 合田節子 会員
講師から
絵の中に絵があるという不思議な趣きと思い出。静物ながら物語を感じる作品です。
 
 

題名 初秋の散策
油彩画 F10号
作者 山本美登利 会員
講師から
匂いや湿度、温度まで感じる作品です。風景画ながら動きを感じる画面からは、サクサクと足音まで聞こえてきそうです。
 
 

題名 煌めく夜空に舞う妖精
油彩画
作者 新井久江 会員
講師から
舞台を鑑賞した時の、ときめき感が感じられる作品です。
ただ、写真を写すというにとどまらず照明による強い明暗の表現や対象の姿勢を粘り強く表現した結果だと思います。
 
 

題名 金剛杵
水彩画に箔 F6号
作者 中村 可奈子 会員
講師から
ご自身が楽しみながらモチーフを描いていることが伝わってきます。箔を贅沢に使用した、観る楽しみが詰まった作品です。
 
 

題名  山中湖からの富士
油彩画 F8号
作者 吉免 光顯 会員
講師から
画題としては王道の富士。高密度の描き込みによってオーソドックスながら独自の魅力をたたえた作品になっています。動き出しそうな迫力を感じます。
 
 

題名 巻貝
デッサン F6号
作者 本橋 識孝 会員
講師から
貝殻はオブジェとしても魅力的ですが、それが生き物であるという事を改めて感じる事が出来る作品です。迫力と生命観は表面だけではない本質を描き出せています。