メッツ絵画教室主任講師の小屋です。
9月23日と10月14日、祝日の月曜に、名画探求「ゴッホの制作方法で描く(2回シリーズ)」を行いました。
これは、ゴッホの代表的な油彩画「向日葵」(1888年作・カンヴァスに油彩・92.1×73cm・ロンドン ナショナルギャラリー)の部分模写を、出来る限りゴッホの技法に忠実に行うという企画です。
F4カンヴァスも特別なものを用意しました。
詳しいテキストを元に制作していきます。まずは、会場の様子です。
参加会員お1人様のスペースです。
資料と支持体がバランスよく配置されています。
こちらは全員で使う画材です。
今回、時間短縮のため下地はアクリル絵具を使用しました。
ゴッホの使った油絵具とメディウムも用意しました。
ゼミの流れについて解説します。
今回は全員でできるだけ同じスピードで進めていきたいので、目標の所まで早く出来上がった方は全員がそろうまで待機して頂きます(実際はそのようなことはありませんでした)。
裏張りカンヴァスに赤茶色の下地を作った後、これから転写するコピー用紙(向日葵の部分)の裏にアルコールで溶いたローシェンナーの顔料を塗る大澤会員。
それをカンヴァスに乗せ、いよいよこれからトレースを開始する海老沼会員。
トレースには赤のダーマトグラフを使用します。そこまで終わったらいよいよ彩色になります。
ゼミも2日目に入り、みなさん画面に密度がついてきました。
海老沼会員です。通常授業を3回分使われたので、とても密度が出てきました。
大澤会員です。黄色の発色がとても綺麗ですね。絵具にも厚みがあります。
森会員、1回目終了後にお持ち帰りになって、ご自宅でかなり描かれてきました。
独特のセンスだと思います。
かなり個性的にゴッホを表現しています。
洲合会員です。
とても丁寧な仕事です。
ゴッホの仕事を追体験するように、ゆっくりと筆を動かします。
藤崎会員です。
とても早く描いています。
1回目が終わった段階でかなりの所まで出来ていました。
それでは講評会です!
ゴッホに忠実な作品が並びました。
このような経験を1度しておくと、次回、今度は別のモチーフをゴッホ的に表現することも可能になります。
洲合会員の作品。
とても魅力的です。
バックと向日葵の関係を上手く捉えました。
藤崎会員の作品。
マティエールがとてもゴッホ的な作品になりました。
絵具の発色が良いです。
海老沼会員の作品。
絵具の盛り上がりがそのまま花びらの質感になっています。
近代絵画の重要な要素の追体験になりましたね。
大澤会員です。
花の輪郭に上手く下地の赤茶色を残して、幅のある色味に仕上げました。
森会員です。
花びらの境目などをもう少しリアルに描くとさらに良くなります。
ここまでのこだわりは流石です。
全過程が終了し、ご参加の皆様さわやかな笑顔ですね。
講評会では皆さんにも積極的に今回のゼミの感想や、他の人の作品についての意見を語って頂きました。
今回のゼミの経験が、きっとこれからの皆さんの制作上のヒントになると思います!