吉田会員さまの油絵画ご紹介



土曜日を担当しております講師の安永です。
今回は吉田朋子会員さまの油彩画をご紹介させて頂きます。
約一年をかけ描いた力作をご覧ください。
 

クロアチア共和国にある世界遺産『プリトヴィツェ湖群国立公園』の一場面を描きました。
紺青の湖の巨木に女性が乗って魚に餌をあげています。
 
光の状況は難しい逆光ですが、人物の明度を実際より少し明るく調整し描きました。
逆光の巨木のシルエットが大きな明暗差をつくり強固な画面を生んでいます。
視点が斜め上から見下ろしているので、人物の形を描くのに苦労されていましたが、
木のシルエットとの対比、関係を意識しながら人物のシルエットを選びとりました。
 

約一年をかけ何度も塗り直し描いた作品の絵肌はとても重厚なものになりました。
意図して質感を作った訳ではなく、修正に修正を重ねることで偶然も含め、自然に現れてきた絵具の質感ですので尚更深みを感じさせます。
 

良く見ると餌に小魚達が群がってきています。
湖の色は吉田会員ならではの混色表現ですね。
青系の色をベースにしながら赤紫や緑を独自のタッチで画面上で混ぜ合わせ湖の色を表現しました。
 
今後も吉田会員にしか作れない世界をどんどん追求して頂きたいです。
次回作も今から楽しみです。