講師の杉本です。
銀座教室で油絵を制作しております。Y会員様の作品をご紹介します。
調和した色合いと大胆な筆遣いを用いて、独自の画面世界を表現しています。
絵具の厚塗りを効果的に用いて、対象の形態や質感、明暗を捉えています。
画面に広がるトーンの斑点は、空気中に存在する電波や光子、デジタル的視覚の揺らぎを思い起こさせるようであり、抽象表現とのつながりも感じさせます。
この作品は、Y会員様の2作目の油絵です。関心を寄せている現代美術作家の画集をお持ちになり、その技法をいかに取り込むか、日曜担当の講師と相談を重ねてきました。
その過程で画筆の使い分けやペインティングナイフによる描画など、油彩表現における素材と道具の自由さを実感して頂けたと考えております。
制作中のY会員様です。
花と髑髏を組み合わせた静物画はヴァニタス画とも呼ばれ、西洋絵画に古くからある主題です。
生きる事の華やかさと、死の儚さを対比する意味が含まれているとされています。
モチーフを組み合わせてじっくりと観察・描画する事で、実体から離れた概念を表現する事も可能である。
この事も、今後の制作・表現で活かしてほしいと思います。次回作も期待しております。