水墨画で表す昭和の名残



こんにちは。メッツ絵画教室の水曜日、日曜日担当講師の森です。
今回は、厚治会員さまの水墨画を紹介したいと思います。

 
 
墨で描かれた風景画です。
 
建物や電柱や階段など、情報量の多い景色を上手く描き分けて表現できています。
また、仰ぎ見る視点を表現するために、パースを意識して描いています。パースには苦労されていましたが、その甲斐あって、絵が仕上がってくると自然な奥行きが出ています。
 
奥行き表現の正確さもポイントなのですが、それ以上にモチーフごとに筆の入れ方を工夫している点が魅力的です。植木鉢の直物の細かいタッチであるとか、建物のひさしの下の暗い影、電柱の頂上の、たくさん電線がつながっている部分など、部分部分、その場所の特徴を感じながら描けています。
 
墨の黒一色の表現だからこそ、作者の感覚がよく出ていると言えるでしょう。
 
 

 
厚治会員さまの制作風景です。
 
いつも積極的に描いていらっしゃいます。はじめは果物や花など基本的なモチーフから始めて、現在では風景に挑戦しています。
 
見慣れた風景でも墨で描くと、パッと景色が引き立ちますので、これからも続けてほしいと思います。