横山会員様の「カモのデッサン」



こんにちは。主に水曜日を担当させて頂いている、講師の坂本です。
私のアトリエからは、雑草が生えているのが見えます。ぼうぼうとなる前に何とかしないとなぁと思うのですが、ふとそれを描こうかなと思ったら、なんだか生えていてもいいのかなと思いました。
どうしても絵を描こうと意気込んでしまうと、特別で絵っぽいものをと思ってしまいがちですが、何気ないモノでも描くことで美に変わり、日常が美しく思えるのでしょう。
まさしく「WHAT A WONDERFUL WORLD」の歌詞そのものの様に。
 
さて、今回も教室から横山会員さまの作品をご紹介させていただきます。
 
 

 
 
いきいきとしたカモのデッサンです。
氏は目標とするモチーフがあり、その準備段階として今回はカモの剥製に挑まれました。
モチーフは剥製ですが、今回は生きている動物の可愛らしさや生命感を絵に表現するために、あえて台座は描かないという方針で進めました。作品で感動するのは、実物を凌駕する目の愛らしさとフカフカ感でしょう。
 
剥製というのは考えてみると複雑で、どうしても不自然になってしまうのは「目」でしょうか。
その理由として考えられるのは、羽毛や骨格は本物であるにもかかわらず、目はだけがイミテーションである事でしょう。
横山さまは、動物への愛着や印象をイメージで補いながら、剥製には足りない部分を充実させて絵が描かれていました。
細かい描写も魅力的ですが、シンプルに可愛く描けているという事が何といっても魅力です。
 
いよいよ、本懐の作品に取り掛かり始めております。この命を与えるような描画が活かされると思うと楽しみですね。
 
 

 
絵の仕上がりに引き寄せられて、剥製が動き出しそうです。