ドライブラシの技法を使用する企画講習


こんにちは。メッツ絵画教室の水曜日・木曜日の午後・夜間を担当して
いる講師の中田です。
今回は「ドライブラシで風景を描こう」という企画の様子をご紹介します。
本企画はドライブラシという難易度の高い透明水彩の技法を学ぶにあた
り、創作的な部分ではなく、技術の部分に集中していただくため、アンド
リュー・ワイエスというアメリカン・リアリズムの代表的な作家の作品を部分
的に切り取り、模写(実際には短時間で簡易的なものなので、原画に
近づけようというものではありません)していただきました。
 
 
 

 
制作風景
 
 
ドライブラシは筆に水分をあまり含ませずに、紙の表面にかすらせるように
描きます。これにより非常に複雑なムラができ、草や木の幹などの質感の
ような錯覚を引き起こします。地道に細かく描いていくのに比べ、時間的
な効率も良いですし、手業とは思えないような密度を獲得することも可
能です。
少し難しい点は、ドライブラシによってできたムラを絵に馴染ませることがで
きるかどうかというところでしょう。今回の企画でも、その部分が大変だった
ように感じました。
 
では会員さまの作品を見ていきましょう。
 
 
 

 
山中会員さま作品
草原の色が鮮やかで、所々にある青色が人工物と自然物の対比に効
果的です。
 
 
 

 
熊谷会員さま
落ち着いたトーンながらも、その中での繊細な色のコントロールがされて
いて豊かな色味を感じます。
 
 
 

 
渡辺会員さま
統一された色調の中でも単調にはならず、短時間で描いたとは思えない
しっかりとしたコントラストになりました。
 
 
 

 
丹羽会員さま
家も緑がかっていたりと、色使いが工夫されています。原画とは異なる世
界観が出てきました。
 
 
 

 
中島会員さま
明るい色使いで、ドライブラシによる線がとても細かく丁寧に重ねられて
います。
 
 
 

 
講評風景
 
 
今回の企画はドライブラシという技法の入門ということで、皆様成果があ
ったかと思います。ただ、この技法の本領が発揮されるのはある程度時間
をかけての細密描写なのだと思います。透明水彩のにじみを生かして描く
のとは別に、この先もドライブラシを探求されていくと、きっとこれまでとは
異なる可能性も見えてくるでしょう。