辻会員の古典的技法による静物油彩




メッツ絵画教室の小屋です。辻会員が、茶系色で描き進めていく伝統的な古典技法で静物油彩を制作しました。古いランプと、クルミのいっぱい入った銅のフライパン、綿布のモチーフもその技法に合った対象ですね。油彩画等を制作する前になぜデッサンが大切なのか、避けては通れない道なのかを視覚的に示してくれる作品です。


厚塗りの表情と艶のあるマティエールが油絵具の魅力を充分に表現しています。ランプ中央部のガラスも透明感がありますね。微妙に入ったオレンジ色が茶系色や白っぽい中間色を更に引き立てています。


クルミの質感が見事ですね。いっぱいあるクルミを一本調子で描かず、強弱のある描写をされているところに注目して下さい。フライパンの銅の色味も素晴らしいです。台上の影も丁寧ですね。


物だけではなく、バックにも積極的に絵具が乗っているので迫力のある作品になりました。斜め方向のタッチが効いています。フライパンの取っ手の距離感も上手いです。


綿布の色幅も綺麗ですね。カンヴァスの布目が効果的です。サインは赤で描かれたのでそれも画面を引き締めるアクセントになりました。内容的にも空間的にもテクニック的にも素晴らしい作品になりました!