メッツ初の演習ゼミ「モチーフについて 考察する」




メッツ絵画教室主任講師の小屋です。
2月11日の祝日の月曜を利用して、演習ゼミを行いました。
テーマは、みなさんにLKカラー紙という、表が艶のある黒、 裏がマットな白の厚紙を配布し、それを材料にそれぞれのテーマでモチーフを作って頂き、ドローイングするという内容です。
大切なのは、後で絵を描くことを前提にモチーフを作らなければならない所です。
いくら面白いオブジェが出来ても、描いた時に面白い表現にならなくては意味がありません。
その考え方を最初にレクチャー致しました。
ご参加の6名の会員さま、さっそく素材を手に取って思案されています。
 

大沢会員はシンプルにメガホンのように紙を巻いて、ドローイングで勝負です。
 

井上会員、とても凝った工作を始められました。
 

松本会員も細かい造形ですね。
 

藤崎会員、曲線が魅力的な制作です。
 

熊谷会員もメビウスの輪のようなイメージです。緊張感があります。
 

佐野会員も細かい造形ですね。面白いです。
 

大澤会員は順調にデッサンしていきます。
 

井上会員、面白いオブジェが出来ました。いまからデッサンします。
 

松本会員、かわいいハート型オブジェですね。
 

藤崎会員、シンプルで、奥深い表現です。デッサンが楽しみですね。


熊谷会員、カッコイイ造形です。どのようにデッサンするかが気になるところです。
 

佐野会員、出来たオブジェを覗き込んでの描写です。
 

それではディスカッションの始まりです。
今回の演習では講評会ではなく、みなさんに制作上のテーマ、狙いなどをお話し頂いて、それに対してみんなで感想や、改良点など、感じたことを話すディスカッション方式を採用しました。
井上会員の作品、立体とデッサンのセットです。
 

井上会員の立体です。チェスをイメーシして作られました。シンプルで綺麗な形になりましたね。
 

こちらがデッサンです。構図上の問題と、バックの扱い方についていろいろ意見が出ました。
 

大澤会員の作品セットです。とても分かりやすいですね。
 

大澤会員はシンプルに丸めて、LKカラー紙の素材感を強調しました。
 

デッサンは実体以上に影に注目されました。面白い形をいろいろ発見されていて説得力がありますね。
 

熊谷会員の作品セットです。
 

メビウスの輪がテーマです。クラインの壺のようにも見えます。差し込んだ部分の白い三角形に緊張感があります。
 

デッサンはもう少し構図をゆったり、大きく取るか、バックに工夫をすれば、尚よかったですね。回りの余白が遊んでしまっています。
 

佐野会員の作品セットです。これもメガホン状の形態です。
 

しかし、中はこのように複雑な構成になっています。大変凝っていますね。
 

デッサンです。黒と白のアクセントがもう少し欲しい所でした。形は面白いです。
 

藤崎会員の作品セットです。「山」がテーマです。藤崎会員の作品は立体(オブジェ)と平面(デッサン)の関係がとても良いです。
 

山を表現したオブジェです。
 

上から見たら中に小さい山があるのも面白いです。
 

デッサンも、LKカラーの特徴を掴みながら、質感を山っぽくしているのが面白いです。
奥の白い部分は、オブジェでは向こう側に回り込む要素なのですが、デッサンでは盛り上がった白い山に見える様に扱っている所に藤崎会員のセンスを感じます。
 

松本会員の作品セットです。ハートがメインになっています。
 

大中小のハートで構成され、初孫さんとのバレンタインがテーマだそうです。
 

作品も雰囲気があっていいですね。艶のある黒いLKカラー紙の質感をダイレクトに感じます。
 

ご参加の皆様、本当にお疲れ様でした。
2時間30分という厳しい時間制約の中で、今日のゼミの内容を理解してテーマを決めてオブジェを作り、デッサンする。
その制作について言葉で説明し、意見を言い合うという高度な内容をよくこなして下さったと思います。
このような経験は普段の制作にとても役立ちます。
また機会を見つけて別のテーマで演習を行いたいと思いますので、その時もよろしくお願いいたします。