こんにちは。メッツ絵画教室新宿校で木曜、土曜を担当している講師の山田です。
今回は、鈴木会員さまの油彩画をご紹介いたします。
鈴木会員さまが今回描いたのはフェルメールの『牛乳を注ぐ女』の模写作品です。
ヨハネス・フェルメールは17世紀のオランダを代表する画家で、この作品では台所の窓から差し込む柔らかな光の中で、メイドと思われる女性が壺から牛乳を注いでいる様子が描かれています。
日常の何気ない一場面でありながら、隅々まで緻密に描きこまれた画面からは、静けさとどこかミステリアスな雰囲気が感じられます。
この緻密な名画の模写を行うのは時間も根気もいる作業でしたが、鈴木会員様は最後まで妥協することなく描ききり、完成度の高い模写を仕上げることが出来ました。特に色彩の表現にはこだわりが感じられ、その中でも前掛けやテーブルの布に使われている鮮やかな青の再現には苦戦をされている様子でした。
フェルメールのこの青は「フェルメールブルー」とも呼ばれ、高価な天然石ラピスラズリを原料としたウルトラマリンが使用されています。
お手持ちの絵の具だけではどうしてもこの青が出せなかったため、色が近いウルトラマリンを探して購入し、それを何層も塗り重ねることでフェルメールブルーに近い鮮やかな青色を再現しました。
名画には画家たちが確立した高度な技術が詰まっています。模写を通じて得た知識や技法は創作表現の幅を広げてくれるでしょう。
皆さんも、興味がありましたら是非模写に挑戦してみてください。
制作中の鈴木会員さまです。
次回作も楽しみにしております。