小屋哲雄個展(大阪・Oギャラリーeyes  2009.1.26-1.31)レポート




メッツ絵画教室の小屋です。1 月の最終週に大阪の”Oギャラリーeyes”にて、個展を開催しました。今日はそのレポートをお届けしたいと思います。”Oギャラリーeyes”は、東京・銀座の”Oギャラリー”の大阪支部です。関西の若手から中堅作家に大変人気がある画廊です。戦後すぐに建った「石之ビル」の3階にあるギャラリーで、建物のレトロさとは逆にギャラリー内はとても近代的な雰囲気でした。今回、Black-Composition(ブラック・コンポジション)の新作を中心に15点、展示致しました。正面右の大きい作品はP80号です。その左隣、わざと下の方に飾ってある小品はF4号です。展示はギャラリーに一任致しました。この空間インスタレーションのような配置はギャラリースタッフの協議による結果です。観に来て下さった方々も色々な意見を言われました。


正面から右の壁を見ます。F6が2点並び、結構間があって、その隣はF10です。全て、Black-Compositionの最新作です。


このように対角線上で対話をするかのように小品が並んでいます。「壁にできる余白」の形を相当意識していますね。ご覧のように、古いビルなので天井に大きな梁があります。その梁を魅力的に見せる演出のようでもありました。黒い作品なので、白い壁と上手く合ったように思います。


左もP80の作品です。「ブラック」と「カラーフィールド」の融合とも言える野心作だと、自分では思っています。ある意味「和」の空間も表現しました。


ドア側の壁です。左が「ただひとりのZ」という作品です。人間が根源的に持つ絶対的な孤独感をDNAの記号形態を利用して表現しました。今回の出品作の中で1番シンプルな作品です。


こちらはゲストルームです。F10号のグレーとブラック主流の作品の下に簡単な休憩スペースがあり、私の過去の個展資料や博士学位論文が閲覧できるようになっています。今回の新作には全て”2009 TK”のサインが入っています。単なるサインではなく、画面構成要素の1つとして、自画像的に描きました。


2007年度の、銀座Oギャラリーの個展で展示したF0号連作作品の再出品コーナーです。

一週間の展示が終わって振り返りますと、関西の人の反応は、東京とはまた違って、滅多にない貴重な体験になりました。兵庫県立美術館や徳島県立近代美術館の学芸員さんたち、前・伊丹市立美術館の館長さん、多数の関西の画廊のオーナーさん、関西の画廊を回っている美術評論家及びコレクター達、銀座・井上画廊の「翔展 2008」でご一緒した関西の作家さんなど、なかなかお話できる機会のない方々と話せたのはよかったです。Oギャラリーeyesの代表・唐木氏とも長く美術の話が出来て、勉強になりました。

そしてメッツ絵画教室からは大澤会員がお嬢様と、丸山会員がお母様と観に来て下さいました。遠いところありがとうございました。

丸山会員から感想を頂きましたのでここで掲載させて頂きます。

「小屋先生、この度は大阪への個展進出、おめでとうございました。
私も、初めての大阪旅行も兼ねて、最終日にお邪魔させていただきました。まずギャラリーの入っ
ているレトロなビルにビックリ!東京銀座の画廊街とはかなり変わった雰囲気でした。
しかし展示空間に一歩入ると、明るく白い壁が作品を引き立てていて、実際よりも広いスペースの
ようにも感じました。
今回のブラックコンポジションシリーズは、色彩としての『黒』の可能性を前提としつつも、カラ
ーフィールドの連作ともリンクする、新しい試みをなさっていて、『次はこう来たか!』とうなずい
てしまいました。『黒』の持つ絶対的な強さを、様々な色彩との並置によって明確にし、さらに空間
として画面を見せる…
具体的なモチーフを操ることなく、色彩、面、あらゆるタッチで物理的な深さや動きを表現なさっ
ているのは、小屋先生の作品以外に見たことがありません。
またキャンバスの側面も画面の一部として全くすきがなかったのも、さすがだと思いました。
『古典抽象主義』の更なる発展を、今後も楽しみにしています!」

丸山会員、嬉しい感想をありがとうございました。次回の私の個展は、2009年5月25日-31日、銀座のOギャラリーで開かれます。

これからも、よろしくお願いいたします。
©Tetsuo Koya / photo credit : O Gallery eyes 2009