丸山会員の新作油彩画が”北区美術展”に出品されました。




メッツ絵画教室の小屋です。丸山会員の力作油彩画が完成し、「第57回 北区美術展(2008.10.30-11.3)」に出品されました。今回、丸山会員は北区・王子の有名な大晦日行事、「狐の行列」をテーマにしました。ご自宅にあるという多くの狐のお面をモチーフに、その物語性を生かした構成油彩に仕上げました。いろんな表現で描かれた狐のお面が画面縦方向に行進し、その回りに行事にちなんだ場面を展開するという、20Fの大画面狭しと暴れる凝った構成になっております。


メインの狐のお面は紙でできた質感を丁寧に描写しています。まるで本物のお面が貼りつけられたかの様です。


右上のお面はカラフルな色面を生かしたキュビズム的な表現です。稲荷大明神・・・の文字も丁寧です。


左下のお面は、石膏像の「大顔面面取り」を参考に、面構成しました。色彩もモノクロームにし、立体感に工夫しました。


右下のお面はフォービズム的に表現した、原色豊かな楽しいお面になっています。


下のお面はやはり質感を大切にリアルに描きましたが絵具のマチエールが豊かです。広重の浮世絵を参考にした2本足で立つ擬人化されたキツネも面白い工夫ですね。今回サインも落款風にしました。


鳥居の中にも広重のキツネがいます。3次元的な空間感が魅力的です。右側に見える線的なお面も大胆ですね。


籠に乗った子供にはキツネのメーキャップが施されています。籠の表情もよく描けていますね。


北区美術展での展示風景です。右の壁中央に作品が見えます。


作品にとても合う額が付いて、更に魅力的に見えますね。

丸山会員から感想文を頂きましたので掲載致します。——

約4ヶ月をかけて完成させた作品《王子の狐》を、この度、北区美術展に出品させて頂きました。
何かしら北区に縁のあるテーマで書きたい!と言うことで、パッと思い付いたのがこの「狐の行列」という大晦日に行われるお祭でした。
お祭に行った時に毎年一つずつ買い集めてきた狐のお面と、その時撮った写真などを参考に、色々な要素を組み合わせて、面白さを出すよう工夫しました。
なにしろ描き所が多く、完成像がなかなか見えて来なかったので苦労しましたが、先生にご指導を頂きつつ、最終的に、真夜中に繰り広げられる賑やかな様子や、和の雰囲気が出せたかな、と思います。
お面もそれぞれ全て別の方法で描いてみれば、と教えて頂き、変化のある画面にすることができました。
展示会場では、周りの方の作品が、わりとオーソドックスな風景などが中心だったので、「ちょっと浮いてるかな?」と心配でしたが(笑)、やはり額装して沢山の方々に見てもらえる機会はとても貴重だと実感しました。
今回の制作を通して学んだことを、次回作以降にも活かしていければ、と思います!

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「第57回 北区美術展」はJR王子駅北口徒歩2分の「北とぴあ」(地図)地下展示ホールで2008年10月30日(木)11月3日(月・祝日:10:00-19:00 最終日は17:00終了)まで開催されました。