9月企画講習会に当たり



 
今回は9月の企画講習会と10月の屋外写生会に関して
会員皆さまにご参考にしていただきたく、ご紹介します。
 
教室の高岡徹校長先生の御尊父高岡徳太郎先生は、美術家の団体である一陽会を、
昭和30年、画家の鈴木信太郎先生、野間仁根先生、萩野康二先生と共に設立しました。
若き日には、画家の林武氏と共に渡仏され、パリで本場の洋画の感性と空気を
感受してきました。
その後、数々の作品を制作してきましたが、その中に坂を題材にしました作品
もありますので、今回行います企画講習や写生会のご参考になればと思います。
 
 
 

 
 
この絵は昭和49年、先生が72歳の時に描かれた作品です。
場所は千葉の犬吠崎周辺です。
題名は、「海からの道」で20号のキャンバスを使用しています。
登り坂道で、この道を越えると海に出るロケーションを描いたものです。
先生がおっしゃるのに、「風景画には絵に『空気』が感じられなくてはいけないんです」
と、おっしゃっておられました。
この絵で感じられますのは海岸に出るまでの防風林の中の坂道を
夏の時期、坂の先から独特の海風のにおいが感じらえるようなところです。
手前から登り坂を描く事のご参考になる作品だと思います。
 
 
 

 
 
こちらも同じく同じ千葉の犬吠崎周辺での作品で、
こちらは手前の道の少し先から下り坂となり、遠くに海が見える構図です。
作品は油絵でサイズは20号です。
先生は千葉の犬吠崎周辺や、静岡の南伊豆で丘から海の眺めを、現地に長期滞在し、
じっくりと写生をなさいました作品を数多く残しております。
機会がありましたら、又、ご紹介させていただきます。