講師の堀込です。
今回は斉藤会員さまのパステル画をご紹介します。
斉藤会員さまはご自身で撮られた写真をパステルで描いています。
これまでに風景、人物、動物と様々なものを描いてきました。
制作の中で自然の緑の表現と画面のメリハリの付け方が苦手だと
感じた斉藤会員さまはそれを意識しながら制作に取り組み、
より良い表現を身につけていきました。
このパステル画「奈良の鹿」はその成果が表れた作品となりました。
光が印象的なドラマチックな構図と鮮やかな色彩に加え
様々なタッチが見られる、見ごたえ十分の作品です。
湿気を含んだ苔と石碑の丁寧な描写が、歴史のある奈良の土地を感じさせます。
色数の少ない風景を鮮やかに見せているのは、影と光の中に
原色をポイントで加えている点と、はっきりしたコントラストです。
そのおかげで色彩が単調にならずに奥行きも出ました。
主役の鹿は説明的にならないように描写するのが難しかったようですが、
パステルの魅力が伝わってくる作品をこれからもどんどん制作してほしいと思います。
そして、新たな展開も期待しています。