新年あけましておめでとうございます。
講師の山本です。
今回は人物画コースで3回にわたって行われました。
「ノーマン・ロックウェル」固定ポーズ・男性をご紹介いたします。
ノーマン・ロックウェルは1916年~1963年間に
Post誌の表紙を担当しており、アメリカ市民の日常生活や
社会的な問題を提示する絵を多く残しました。
いまでもアメリカ国民に愛され続けている画家の一人です。
ロックウェルの絵は日常的な物語が描かれています。
この絵は家出した少年がおまわりさんとレストランバーのマスターに
人生相談をしている場面ですね。
きっとお母さんとケンカをしたのでしょう。
優しい大人の気遣いがとてもほほえましく感じられます。
こちらの絵は自画像を描くノーマン・ロックウェルの作品です。
鏡をのぞき込む画家自身の顔に比べ、描かれている自画像画は
カッコよくなっていますね。
とてもユーモアを感じる絵ですね。
今回の人物コースはこの絵を参考にして
モデルさんにポーズしていただきました。
ではみなさんの絵を見ていきましょう!
山下会員さま
後ろからの構図から横顔しか見えませんが、
くわえタバコをしながら絵を描いている姿に哀愁を感じます。
鏡に映る人の姿やイーゼルの後ろに置いてある椅子など
モデルさんの取り巻く環境までも絵に落とし込んでいます。
富田会員さま
人物のラインが曲線的なの形に対して
室内やイーゼルの直線的なラインが強い構成力として表れています。
床のタイルの格子柄が画面3分の1を占めており、
壁のベージュ色とは対比で緑と青色の洋服の組合せが
とても上手くいっていますね。
植田会員さま
画面下を暗くしっかり描かれているので安定感のある仕上がりになっています。
くらべて画面上はモデルの顔が白く、鏡に映り込む横顔と
正面に立っている植田さん自身の顔が描かれており、
上下の違った表現が組み合わされた絵となりました。
佐野会員さま
擦れたタッチで薄く色味を乗せて描いています。
説明的な描写をせずに色面の変化で描かれているのがとてもいいですね。
筆のサイズを変えて細かい表情も取り入れられるとさらに良くなるでしょう。
森会員さま
背景を画用紙の白のままに残して人物の肌の複雑な色味を
ちゃんと引き出していますね。
床の直線的な色面で画面を締めることで、より安定感のある絵に仕上がるでしょう。
石黒会員さま
一日のみで描かれた絵ですが、何度も描き直して身体のフォルムを
正確に捉えようとしているのが伺えます。
構図が下側に寄ってしまいましたが、地平線と左側にパイプを加えて
横縦の動きを画面に与えたことによってバランスが取れました。
飯島会員さま
三回それぞれ違う角度から描かれました。肌の色味に深みがあり、
シャツの黄緑との相性がとても合っていますね。肩や胸の部分、
画面下側が平面的になってしまったので筆を持っている手などが
加わっても良かったですね。
2015年の人物画コースはたくさんの良い絵が並び、枚数を重ねる毎にみなさん上達されていかれました。
初心者の方も多く参加いただき、またご都合が合ったらぜひ受講していただきたいと思っています。
2016年、今年も楽しい企画を計画していますので、みなさんお楽しみに!
担当講師 佐々木、山本です。