こんにちは。火曜日を担当している講師の永瀬です。
今回は残間会員さまの作品をご紹介します。
人間の頭がい骨の石膏デッサンです。
綿布を敷いたテーブルの上に石膏が置かれています。
頭がい骨の石膏はたっぷりと調子をのせて、しっかりと量感を出しています。
また同時に、石膏の白い色味も表現出来ています。
人間の頭がい骨の入り組んだ形態を丁寧に観察して描かれています。
今回のデッサンで残間会員さまは、テーブルに敷かれた綿布も丁寧に描き、
石膏の置かれた空間をしっかりと表現されています。
テーブルには奥行きが感じられ、頭がい骨の奥に手がまわしていけそうです。
一般的な鉛筆デッサンでは、木炭デッサンほどは、色を付けたり消したりを繰り返さず、
基本的には足し算の方法で進めていきます。
それでも頭がい骨のような複雑な形体感を表わすのに、消しゴムでの修正、調整なしとは難しいものです。
残間会員さまは、今回のデッサンで、粘り強くモチーフと対峙して調子の足し引きを繰り返しました。
紙の目は部分的につぶれたり、鉛っぽく光ってしまいましたが、
頭がい骨の形体感はしっかりと現れ、調子には深みが出ました。
「しっかりと描きたい」という情熱のこもった良いデッサンになったと思います。