講師の杉本です。今回は、荒井会員様の油絵をご紹介します。
描かれているのは、「岩手銀行赤レンガ館」(盛岡市)。明治建築の趣ある存在感が捉えられています。

上空の雲には湧き出るような力強さがあり、切れ間から見える青空がレンガの赤褐色を引き立てています。屋根・壁面・窓における細部の装飾部分も、しっかりと追求しています。
油絵具の濃厚さを活かした塗り重ねにより、建造物の重量感・立体感が伝わってきます。荒井様は旅先で撮影した写真を基にこの作品を描かれており、現地で主題と向き合った実感が伝わってくる描き込みです。
隣接している建物・公園、及び道路といった周辺環境についても、丁寧な描写が為されています。遠近法や色合いの調和に注意しつつ各要素を再現する事により、基礎の安定感を高める事が出来ています。植物のグリーン・舗装のブルーグレーは色彩に潤いを、横断歩道を渡る親子連れは画面に和みを添え、歴史ある街の日常の情景を演出しています。
(本建築は明治44年に旧・盛岡銀行本店として開業。設計は東京駅駅舎でも知ら吾による。)

荒井会員様は、一つ一つの主題にしっかりと時間をかけて油絵を制作されています。
現在は新作の風景画に着手中です。次回作も期待しております。

