メッツ絵画教室の小屋です。今回は日曜日に通われている堀内会員の新作油彩画のご紹介です。巻貝と、今は懐かしいダイヤル電話機、花台、2種類の布のモチーフです。自然と人工物を対比させたモチーフですが、堀内会員の確かな描写力がその魅力を充分に引き出した作品だと思います。2種類の布の装飾の魅力もふんだんに利用されています。絵具の付きも重厚で、見る者を圧倒しますね。
とても丁寧な貝の描写です。角の部分とピンクの口の部分との質感の差もよく出ていますね。要所要所にタッチを入れ、立体感を強調しています。影の色彩も幅があり、「貝らしさ」が現れました。暗いバックの色は貝を浮き出させ、明快な空間を与えています。
縞模様を生かして、布の明暗の流れを的確に表現しています。観察力がありますね。模様のアクセントの付け方に注目してください。花台の下の空間が綺麗です。
ダイヤル電話機です。クリーム色の本体に様々な色彩が入っているのが良いですね。簡単な様でいて難しい電話機の構造をよく捕まえています。市松模様の布との相性もいい感じです。
受話器も工夫されていますね。細かい穴がもう少しリアルでもよかったですね。そうしたら電話機の機能もプラスされて、更に魅力的になったと思います。さりげなく入ったオレンジや緑が面白い効果を出していますね。
このようにバックの色彩にも油彩絵具ならではの試行錯誤が見てとれます。理屈ではなく、堀内会員の感性が最もよく出た部分でもあると思います。ますます絵画的な力を付けてきた堀内会員の今後の作品に期待したいと思います!