新宿校で水曜日、土曜日を担当しています、講師の越前谷です。
今回ご紹介するのは、溝越会員さまの油彩画です。
溝越会員さまの最近の作品は、ご覧のような独創的なイメージで制作されたものになっています。
”見たいけど見られないものを、描けば見られる”というところが絵を描くことの面白さ、と考えていられるようで、描くことに対してはっきりとした方向性を持って制作されています。
この作品のようなイメージが心の中に現れたものを、様々な画像、モチーフ等を参考にしながら徐々に具体的な形として表現していっていますが、最初に現れたイメージからは決して離れてはいないようです。
このように心に現れた独自なイメージで制作されるのは、教室に通われる方の中でも珍しく、他の会員の方にもとても良い刺激になっていると思います。
また、溝越会員さまはイメージだけでなく、色々な技法についても挑戦されていて、この作品でもマチエール材を絵の具に混ぜて厚みをつけたり、描くのではなく絵の具を引っ搔いて表現している部分も見られます。
この作品では中央の人物と、周りにいるウサギ達もご自身が投影されたものと思われますが、これらの人物たちを”幸せにしたい”という思いでこれを描かれたそうです。
絵を描くことで、もしご自身が幸せな気持ちになれたら、その絵を見た方もきっと幸せな気持ちになれると思いますので、ぜひこのような気持ちを持ち続けて、制作されると良いと思います。
この絵の、人物の中にぽっかりと開いた空間に、一羽のウサギが不思議な静けさを湛えて佇んでいるのが、とても印象的ですね。
溝越会員さまは今、とても良い展開で制作されていると思いますので、これからも非常に期待出来ますね。
制作する溝越会員さま。