小野田会員様の鉛筆デッサン



新宿校で金曜日、土曜日担当の講師、越前谷です。
今回は鉛筆デッサンで、非常に独特な探求をされている小野田会員様の作品を紹介します。
 
 

 
 
この作品を見て、何が描かれているのか分かる人は殆どいないと思います。
実はこのデッサンは、小野田会員が空の広く、深い空間を鉛筆のみを使用して表現したものです。
掌サイズの小さな作品ですが、丁寧に手間を掛けて鉛筆が重ねられて、ずっと見ていると深い空間に引き込まれて行くような表現力があります。
もう一点の作品も同じ意図を持って描かれたものですが、隅の方までびっしりと鉛筆が塗り込められて、色の変化が殆ど無くなっています。
 
 

 
 
しかしこれも、見る角度を変えると、筆圧や鉛筆の重ね方の違いでツヤの変化が見えて来ます。
これによって、最初の作品と同じ様に、絵の中心に向かって深い空間を暗示する、表現力が現れます。

 
 
少しわかり難い表現かも知れませんが、とても面白い、独特な表現を探求されていると思います。
この様な作品は一朝一夕では出来上がりません。
小野田会員はもう十年ほど、鉛筆デッサン一筋に学んで来られて、最近になってこの様な独特な作品を制作されるようになりました。
鉛筆も9Hから12Bまでを使って、鉛筆という画材をよく研究したうえで、表現を考えていると思います。
鉛筆デッサンの表現を深く探求している点において、特筆すべき会員様だと思います。
 
 

使用しましたデッサン用鉛筆です。


 
制作中の小野田会員様です。