こんにちは。新宿校の月曜日と金曜日担当の講師の麻生です。
今回は会員のNさんの日本画作品を紹介させて頂きます。
Nさんの制作はモチーフを線描でデッサンをするところから始まります。
はじめに線で描くことで日本画に入った段階で迷いがなくなります。
線描デッサンが完成したら、水と膠と日本画の絵具をよく混ぜて、画面に垂らしたり、滲ませることで摩訶不思議なマチエルを作ります。そこにモチーフを描きつつ、偶然にできた表情から植物や昆虫、動物などが生まれて来ます。
左の写真:N会員様の飼っていらっしゃるテリアでしょうか
右の写真:アリがかくれんぼしています。
全て自分の力で描こうとするのではなく、水と膠と顔料が織りなす偶然性を利用して作品の行く末を天に委ねることができるのがNさんの作品の最大の魅力です。
Nさんの作品からは言葉にならない思いや曖昧だけど確かにそこにある豊かな世界を感じとることができます。何処か懐かしく儚いけれど温かい物語の一ページのようです。