人物画『クロッキー男性』2月



こんにちは、メッツ絵画教室の佐々木です。
毎月第一日曜日の昼Bクラスで行います人物コースをご紹介します。
今回は「クロッキー・クライマーの男性」です。
 

無駄の無い均整のとれた体躯のモデルさんで、実際に使っているクライミングギアを装備してもらいました。
 

モデル台も階段状にセッティングし、高低差を生かした変化に富んだポーズをとってもらいました。
 

それでは作品を見ていきましょう。
 

沖野会員さま
部分的に観察する癖が無くなり、身体全体の捉え方がバランス良く、直線的なタッチに動きを感じます。形を面で見る事ができているので背中に厚みが感じられますね。
 

佐野会員さま
リズムある細い曲線がキレイですね。筋肉と骨の構造が分かります。構図の取り方も工夫されており、余白の間とロープの縦線、放り出した右足が良く生きた絵になっています。
 

冨田会員さま
真横からの難しい位置でしたが頭の先から指先までしっかり観察しているのがわかります。
脇、顎先、肘の斜めのラインが視線を誘導させ、とても良い構図となっています。
 

種岡会員さま
力強いポーズが荒々しいタッチと合わさってインパクトある絵に仕上がっています。構図の切り方に工夫を持たせると更に種岡会員の個性が強まるでしょう。
 

西岡会員さま
サインペンで短い線を引くたびに、モデルを観察しているのが良く伝わってきます。最小限の手数で必要な情報が表せていますね。
 

藤崎会員さま
背骨の正中線のラインから肩と腰の動きをしっかり捉えられています。首筋から肩にかけての構造が良く描けています。
 

石黒会員さま
背中や腕の筋肉の様子を良く捉えて描けています。線に戸惑いが感じられるので、もう少し勢いのある線で描く所が出来ると良いですね。
 

飯島会員さま
左手と右足を切った大胆な構図で、躍動感のあるクライミングの一瞬を描けていますね。腕や肩の筋肉の曲線も良いリズムで描けています。
 

マリアンスキー会員さま
紙の左側が空いている構図によって、モデルだけでなくその場の空気感も表現しているようですね。曲げた肘とそれを押さえている手をもう少し説明できれば良かったですね。
 

マリアンスキー会員のムービングクロッキー
一つの画面の中に複数の連続した動きを表す腕や足が描かれていますが、線の表情に太さや濃さの変化があるのでそれぞれを個別に見る事が出来ます。しかし線が複雑に折り重なる事によって、何か別の存在にも感じられます。作品として見応えのある、ムービングクロッキーの一つの理想形ともいえるでしょう。
 
 
次回、エドワードホッパーの絵を参考にした「固定ポーズ・女性」です。
アトリエに室内の空間を作ります。
 

同じポーズで3回行いますので、着彩で人物を描きたい方、じっくり完成度を高めたい方は是非ご参加ください。
 
担当 佐々木・山本