大澤会員の幻想的油彩画 F20




メッツ絵画教室主任講師の小屋です。大澤会員の新作油彩画のご紹介です。地震のために壊れてしまったビスクドールを利用し、長崎の礼拝堂や化石と組み合わせてとても幻想的な世界観を表現されました。F20号という大画面で圧倒される迫力があります!
 

壊れているのが、かえって魅力的な人形になりました。ネックレスは大澤会員の工夫で実際のものではなくオウム貝に変化させられています。回りの世界との共通項を考えました。
 

人形の顔のアップです。陶製の顔の厚みと、顔の中の空間などがリアルです。髪や目の質感も出ましたね。
 

厚みのある布で出来た服の表情も綺麗ですね。人形が空中に浮いたように描いたのもとても面白い工夫です。その下の、あるはずの地面は壊れて中から地層、化石が見えています。
 

長崎の被爆した礼拝堂です。ぱっと見たときに顔のように見えませんか?曇り空と合わさってある種の迫力を出しています。
 

手前の樹木も画面空間を大きく広げる役割と、その枯れた表現が深い思想的な背景を我々に問いかけているようです。地面の亀裂の形が木の形と反応しています。
 

空を飛ぶ翼竜の化石です。象徴的な円の中にいます。骨は油絵具の厚いマティエールで表現しました。化石なのに飛んでいるように見せるのに苦労しました。
 

三葉虫などの化石も面白い描写ですね。赤いサインがアクセントにもなっています。地層の渋い色彩に幅があります。
 

こちらはムカシトンボですね。羽根を一部切り離す事で、化石を感じさせるよう工夫されています。
 

アンモナイトはドローイング的な表現です。さらりとしながらも存在感があります。独自の構成力と描写力、色感が合わさって出来た大澤会員の世界、見応えがありました。これからも楽しみです!