第8回 楽々展 「メッツ大賞受賞作品」のご紹介




メッツ絵画教室の小屋です。第8回 楽々展で見事メッツ大賞を受賞された大澤篤子会員の油彩画(F20)をご紹介します。緻密な描写力と発想豊かな構成力でじっくり仕上げた作品です。石膏像のメジチの顔だけ空中に浮かぶという、大胆な発想が魅力ですね。その他の描写もルネサンス風、ポンペイ壁画風、と見ていて飽きない魅力があると思います。布の装飾や神殿の柱、そしてシャンパンの瓶、ワイングラス、フランスパンの静物部分も美しいですね。


正確なデッサン力でメジチのマスクを描きました。表情や質感も申し分ありません。石膏の厚みが大変リアルですね。背景の暗さが石膏の白さを上手く浮き上がらせています。回廊に落ちる斜め方向の柱の影が空間を退屈させない工夫になっています。


壊れた像も独特の美しさがあります。中から飛び立つ鳥が幻想的ですね。背景には砂絵具を使用しました。


首の筋肉の張りが見事に表現されています。台座には普通は存在しない横たわる女性像レリーフがあります。亀裂が入っているので面白いバランスになっていますね。布の柄も画面に動きを与えています。


その下には不思議な手があります。どこから生えてるのかよく分からない所がシュルレアリスム的で、古典的な絵にモダンな要素を与えています。手の色がとてもいいです。回りの表情とよく合っています。


グラスの水を通して見た風景がリアルですね。回廊の床にある鳥の飛翔の模様も躍動感があります。シャンパンボトルのラベルも綺麗ですね。フォークとスプーンは写真を元にして描きました。フランスパンはとても美味しそうです。


赤い布の柄も規則的な面白さがありますね。赤の発色も綺麗です。”Osawa”のサインも装飾の一部になりました!

さて、大澤会員から楽々展の感想を頂きましたのでここで掲載致します。

「今回の楽々展でまず感じたことは、昨年と会場のレイアウトが変わって広々として見やすかったこと、新しく入られた方々の作品が目についたこと、しかも皆さん力作ぞろいで個性的で、それぞれがとても楽しめるものでした。自分の絵を額に入れて展示し、いろんな方のご意見を伺うのもいい経験になりました。来年はもっと多くの会員さんに参加して頂いて会場が狭く感じられたらいいなと思います。私の友人達も何人か来てくれましたが、受賞作よりフォービズムゼミで描いた絵を褒めていました。新鮮に感じるのでしょうか。フォービズムの技法で描くのはとても刺激的で面白い経験でした。今後の絵画制作に是非生かしたいと思います。小屋先生また面白いゼミをお願いします。」

大澤会員、嬉しい感想をありがとうございました。特別ゼミは色々と企画していますのでお楽しみに!