メッツ絵画教室の小屋です。3月21日(日)午後Aクラスと午後Bクラスを通して、「モノクロのモチーフを油彩で描く」ゼミを山本講師と開催致しました。今回、あまり色の無いモチーフを、会員さま自身が丁寧にパレット上で作ったグレートーンの油彩絵具で描くという、油彩画の基本が学べるゼミになりました。デッサンの感覚で描けるのが、普段原色などを多用して制作している会員さまにはかえって新鮮であり、現在デッサン制作中の会員さまにも無理なく取り組め、ゼミの会場は非常に盛り上がりました。
今回は参加者全員、あらかじめ茶系色で下塗りしたF4カンヴァスを使用します。真っ白のカンヴァスに比べて、グレーの色幅が無理なく出せます。
モチーフAです。シンプルな釉薬の色の器を選びました。
モチーフBです。こちらは形が面白くて装飾があるものを選びました。
パレット上で慎重に色を作っている丸山会員です。絵具の乗せ方も丁寧です。
本橋会員もいい感じで絵具が乗ってきました。グレーにも幅が出てきましたね。
重厚に絵具を乗せていく宮元会員です。丁寧ながらもいつもの元気のよさはそのままです!
装飾の色を決めていく大澤会員です。台の布の色も綺麗です。
初めての油彩画に取り組む椎名会員です。モノトーンで描く技法が普段制作しているデッサンに近いので、無理なく描かれています。
丸山会員は完成度がついてきました。水差しのハイライトも上手いです。
普段は色彩を多く使う油彩画を制作される新岡会員も、モノクロの世界をとても楽しんで頂きました。
合川会員の作品に指導する山本講師です。具体的な手法の指導で、分かりやすかったと思います。
モランディの手法を参考に描かれているマリアンスキー会員です。バックの扱いが大変綺麗です。
最後は講評会です。ずらっと並んだモノクロームの油彩画は、色彩を多用した作品に決して負けない強さがありました。
本日の成果を、他の会員さまの作品と見比べるのも良い勉強になりますね。
講評会でご自分の作品を説明されるマリアンスキー会員です。
今回ご参加の会員さまから感想を頂きました!
今回の特別講習「モノクロのモチーフを油絵で描いてみよう」は油絵を始めてまだ間もない私にとって、正にタイムリーな内容でとても勉強になりました。どうもありがとうございました。
グレーと言えば黒と白の絵の具で作るものと思っていましたが、今回のルールでは黒い絵の具は使わず、赤⇔緑、紫⇔黄色、青⇔オレンジの補色で黒に近い色を作り、その比率を変えてオリジナルの色を作るということで、これは初めての経験でしたので、最初は要領がわからず周りをキョロキョロしながらのスタートでした。
でも、思考錯誤しながらもパレットに隙間がないくらい、いろいろなグレーを作ってみると、赤に近いグレーだったり、緑に近いグレーだったり、黄色、青に近いグレーだったりと、ひと言にグレーと言ってもこんなにたくさんできるものなんだと、新しい発見にちょっとワクワクしてしまいました。
そのいろいろなグレーを白い器の絵に乗せていくわけですが、デッサンの要領で影を意識してグレーを乗せていくと、影のバリエーションも増えて、最初の戸惑いはどこかに行ってしまい、描いていてすごく楽しくなりました。これで随分色の幅が広がったような気がします。
元々原色が好きなので、原色でメリハリをつけようとするところがありましたが、グレー系の色でも十分メリハリがつけられるということがよくわかりましたし、絵の具に石膏や砂を混ぜたり、新聞紙で油抜きをした絵の具を使ったりするマチエルについても教えていただいたので、今後の制作にも是非取り入れたいと思います。
それから、今回改めてデッサンの大切さも実感しました。
メッツに入ってもうすぐ2年になりますが、少しずつですが前に進んでいることが感じられて本当に楽しくて嬉しい気持ちでいっぱいです。これからもがんばります!
どうもありがとうございました。(本橋会員より)
特別ゼミは通常のクラスで自分のペースで描いている時には得られない刺激をもらえるので毎回楽しみにしています。
今回はモノクロの描き方を中心に教えていただきましたが油絵を描いている私には特に勉強になりました。
・自分でオリジナルの色をで作る。
・キャンバスで混色しない。
・原色、黒の変わりに補色で幅広いグレーを作って表現していく。
・油を特色に応じて使い分ける。
何枚も油絵を描いていますが、今回のゼミで教えていただいた以上のポイントを頭にいれて描いてきたことがありませんでした。ポイントを押さえることで自分にもモノクロの表現が出来ることに驚き今後の制作に活かせることが楽しみになりました。
ありがとうございました。(宮元会員より)
ご参加の皆様、素晴らしい感想をありがとうございました!これからも色々な特別授業を企画いたしますのでよろしくお願いします。
4月28日(水)の、「春の屋外写生会 真鶴半島・漁港と三石海岸」の申込み締切は4月14日になります。多数のご参加をお待ちしています!
普段の、色彩をたっぷりと使う描き方と比べ、グレーの幅だけで表現するというのは、
うっかりすると単調になってしまいがちでとても難しかったですが、
同じグレーでも補色の混ぜ具合によって、沢山のバリエーションを作ることができるので、
カラーに負けず劣らずの奥深い手法なのだと知りました。
描き進めていくうちに色がだんだん似てきてしまったので、
今後はより微妙な変化のある自分だけの色味を作り出すのを課題として、普段の制作にも活かしていこうと思います。
メッツの特別授業は、新しい表現方法を沢山吸収でき、毎回勉強になります。
今後も色々な企画を楽しみにしています!(丸山会員より)