新宿校火曜日昼、銀座校日曜日、朝、昼、水曜日朝、昼クラスを
担当しております髙村です。
今回の企画授業「年賀はがき用に来年の干支猿を描きましょう」に絡めて、
印のお話をさせていただきます。
墨を使った作品に捺された印をご覧になられた方は多いと思います。
多くは作家の名の下に捺される落款というものを
ご覧になられていることと思いますが、今回は年賀のはがきと言う事で、
新年を言祝ぐ文言の印を作る過程について紹介いたします。
文言の選定は様々ですが今回は、天下全てに春が訪れたという意の
「四海春」と言う言葉を彫ってみたいと思います。
大きさ2センチに満たない自然石を選びました。
五體字類と言う字典で書体を拾っていきます。
異なる時代の書体を混ぜないように注意をしています。
印面の文字を配しています。
石に印稿を移してゆきます。私は印稿を半紙に大きく作りそれを裏返してそれを見ながら
面相筆で写すことが多いです。ここでの上下の行間詰めてください
印稿を実物大で作りそれをカーボン紙で転写される方もいます。
どんどん彫って行きます。
一通り彫りあがった所です。すぐに捺したくなる所ですが、
ここで捺してしまうと印面の仕上がりは印影を見る事が出来るので分かるのですが、
印面にできた谷に朱が入って検討しづらいので、
私は写真のように硯の岡に薄く墨を置き人さし指の腹を擦って
墨をつけ力を抜いて印面をたたきます。
すると彫りそこなった場所などがはっきりしますので補刀を行ってゆきます。
いちど印を捺してみて印影を確かめ更に補刀を行い、
カケと呼ばれる古印の趣を作って行きます。
印刀の尻で周囲を叩いている所です。
仕上がりました。
途中失敗もありましたがなんとか彫りあげました。
同じ要領で彫ったものが下の印です。
長生福
この二つの印はこの企画を受講された方に
お貸しできるようにしたいと思います。
ご希望の方はお申し出ください。
新宿校と銀座校がありますので行き来にお時間頂戴すると思います。
ご容赦下さい。