原会員様の水彩画



こんにちは。新宿校で水曜日、土曜日を担当しています講師の越前谷です。今回はもう退会された会員様ですが、原会員様の水彩画を数点、ご紹介しようと思います。
原会員様は入会以来、基礎的なデッサンの練習の後、ほぼ水彩画一筋で十数年、教室で制作を続けられました。
最近は風景画が多く、ご近所の風景もあれば、旅行に行かれたイギリスの風景もあります。
 
 

 
 
池のある公園の作品です。この絵ではやはり、水の表現が難しかったようです。マスキングではなく、不透明水彩の白を使って、水の泡立つ部分、水面の光を表現しましたが、水の透明感を失わずに描けたと思います。
 
 

 
 
ご近所の桜並木。桜の花の色はピンク色のイメージがありますが、あまり鮮やかな色にしてしまうと不自然に見えます。この作品では桜の花が丁度良く、自然な色彩で描けていると思います。
 
 

 
 

 
 
この二点の水彩画は、イギリスに旅行された時の写真に基づいて描かれました。とても爽やかで、落ち着いた情緒のある、良い作品になったと思います。透明水彩は絵の具を重ねていくと、深い調子を表現出来ますが、重ね過ぎると色が濁ってしまいます。この作品では絵の具の扱い方がとても成功していて、透明感のある発色で、しっかりと表現が出来ています。
イギリスにはターナーのような優れた水彩画の名手がいますが、イギリスの風景は水彩画によく合うのかも知れません。
 
 

 
 
この作品が教室で制作された最後の作品になります。やはりイギリスの、ショッピングモールのようなところですね。この絵では空間と光の明暗の調子が複雑で、苦労されながら仕上げました。しかし自然に、日本とは違うヨーロッパの雰囲気のある作品になりました。
原会員様はこの様に、とても誠実にオーソドックスな技法で水彩画を続けられて来て、最近描かれたイギリスの風景などは特に、技術的に大きく洗練されてきたと思います。
これから少し表現の幅を広げて、人物画などにも挑戦していくと面白いのではないでしょうか。
原会員様は今年教室を退会されましたが、きっと水彩画は続けられて、素敵な作品を描かれているのでは、と思います。
お元気で!!
 
 

制作する原会員様