猪子会員様の作品2点ご紹介



こんにちは。
主に水曜日を担当させて頂いている、講師の坂本です。
 
私事ですが、最近引っ越しをしました。その準備段階で普段飾っている絵を壁から外したのですが、なんだか気の抜けたように寂しい部屋に、改めて「絵」の持つチカラ、大切さを感じました。モチーフ選びに迷ったときは、何かお気に入りのインテリアや洋服を探すように描いてみては如何でしょうか。飾るという楽しみも大切な絵画の要素です。
 
さて、今回も教室から猪子会員さまの作品をご紹介させていただきます。
 
 

 
 
ご本人の郷里にある棟の油彩画です。資料からの作成でしたが、その資料の推敲がとても充実しておりました。何枚かの写真からエスキス(下絵)を取り、制作中の本作も写真におさめながら、それに赤鉛筆で修正してゆく。まさしくこの建物を建設していくかのような作業で描き上げられました。
 
映像や画像では不鮮明になってしまう部分も、瓦の一枚々々や柱の一本々々などを確信していくような描画が絵画でしか味わえない臨場感と魅力をたたえています。
 
余談ですが、エンジンの技術者や医師が観察のためにスケッチする事があるそうですが、構造というものは目で確認し手で描き描き上げる事で、作者の体内へインプットされていくのでしょう。ましてや今回は郷里の思い入れのある建造物。ご本人しか描けない、密度のある絵画となりました。
 
 

 
 
現在は氏の最大号数の風景油彩を制作中。画面が大きくなれども、その描画の密度はさらに濃度をあげております。じっくりと、着実に仕上がっていく様は、本当に山の地殻変動すら感じます。
完成が楽しみです。