今回は小屋講師が鉛筆デッサン2点、油彩(油絵)画2点、大岩講師がデッザン、パステル画、水彩画各1点、油彩(油絵)画2点、村尾講師が油絵(油彩)画2点、水彩画1点を今回推薦します。
小屋講師推薦作品と講評
伊吹玲子会員 油絵(油彩)画作品
アコーディオン弾きの老人人形と本物の小型アコーディオンを組み合わせたモチーフを重圧な油絵ならではの表現で時間をかけて描き表した作品です。バックの室内は写真の描写でモチーフの雰囲気とよく合っています。冬の室内の暖かさまで感じられます。
上田里香会員 鉛筆デッサン作品
様々な個性あるモチーフで組み合わされた静物を作者の豊かな感性と確かな技術で描ききった傑作です。中国産の竹の子で作ったお面と電話機の組み合わせは新鮮でありユトリロの絵は私たちを深い空間へと導きます。更に左上の強い黒が画面全体を引き締めています。
太田みのり会員 油絵(油彩)画作品
油絵はまだ2作目という作者ですが実に丁寧に描いた油絵です。全体の発色も良いし、マスカットの1粒1粒に色を発見しています。テーブルの赤・バックの緑の扱いも明快で見ていて楽しくなります。
荒川美千瑠会員 鉛筆デッサン作品
大変デリケートな調子で仕上げたデッサンです。古い紐付きのワイン瓶と和風柄の布の組み合わせが魅力的です。奥行きが自然に表現されていて作者のデッサン力の高さを感じ取れる作品です。
大岩講師推薦作品と講評
水野富夫会員 油彩(油絵)画作品
ブリキでできた太鼓をたたくウサギ、これは本物のおもちゃです。このおもちゃと作者の心にあるイメージを合体させ描き表した作品です。情感があふれており色彩の使い方が開放的でとても綺麗です。ウサギの画面左すみに描きシンプルで全体の空間の広さをこれぞとばかり感じさせてくれます。
雲、草は軽快なタッチで風を感じさせてくれます。ある意味ではとてもモダンな感じの作品です。
棚橋美智子会員 パステル画作品
人物の存在感がよく出ている作品です。大胆で力強いタッチで描かれています。特に顔は特徴をよく捉えています。2時間半でこの作品をかきあげた集中力は素晴らしいものです。
前川ゆみこ会員 油彩(油絵)画作品
丁寧な仕事ぶりで塗りにこだわりが非常に感じ取られます。この作者の姿勢は大切にしてもらいたいと思います。透明なガラスコップの右側へ抜けていく空間が表現しきれなかったことが惜しいところです。
高橋和子会員 水彩画作品
秋の薔薇が咲く旧古河庭園の庭から建物を描いた作品です。まず目に付きますのがほのぼのとした色調が綺麗にでています。建物の形体が弱いのと画面右奥遠景の木々が強すぎて手前の薔薇と一体化してしまったのが気になります。
趙 恩新会員 鉛筆デッサン作品
入会なさって3回目のデッサン作品。長く絵を描いていると誰しも技巧にはしりがちになりますが、この作品は対照のモチーフを素直にじっくりと観察し見たがまま感じたままに描いた作品です。何時も描くときにはこの素直な感じを忘れずに描いてください。
村尾講師推薦作品と講評
西山美音子会員 油絵(油彩)画作品
作者は先般カナダへご旅行に行かれました。
この作品はその折撮影したものをプリントしそれをもとに描きました。ご覧いただいてこの作品が写真を本に描かれたものと思われますか。作者は写真に写っていないものも色々と描きました。旅行で感動した場面や思いをところどころに描きこんであります。それがとても楽しい感じの絵となっております。画面に感情を描き表し表現する事は絵を描く事の醍醐味と言えるのではないでしょうか。
藤本陽子会員 油絵(油彩)画作品
とてもユニークな作品です。作者はこの作品を眺めながら時たまお酒をお飲みになるそうです。何と実用的な作品でしょう。キャンバスの外枠と皿の形が良いリズムを造りだしています。高橋由一作品の「シャケ」と比較するとこの作品は調理済みでなんとも笑いを誘います。いまどきの感性を感じさせる作品です。
青野直美会員 水彩画構成作品
大変楽しげで夢のある作品に仕上がっています。
しかしそれは自身の過去の体験にもとづく、リアリズムによって支えられています。絵というものはこれでよいのだと思います。他に何も必要ありません。後は見る人がどう感じるかと言う事です。