こんにちは講師の山本です。
人物画コースコスチュームで『ベリーダンサー』のモデルを2回を使用して描きました、今回はアンリ・マティスの作品を参考に模様のある布やお面を配置しました。
人物と背景を組み合わせ画面構成や構図を考えることから始めていただきました。
人物画を描く基本であるクロッキー力に加え、背景の余白や色面を構成していく技術はとても重要なことです。
中心に人物を入れる構図だけでなく背景のモチーフを組み合わせることで画面に生まれるリズムをいかに表現していくかが今回の課題でした。
鉛筆で描いた作品に線の強弱と形の正確である事などを注意深く観察して描いて下さいとアドバイスする佐々木講師です。
F6サイズより大きめのB3サイズの画用紙で鉛筆デッサンを行う冨田会員さま。
枚数を重ねる度に上達していくのが分かりますね。
では講評会を行います。
山下会員さまの鉛筆デッサン
女性の持つ凛とした表情が良く描けていますね。
衣装の模様も丁寧に描けている分、マットな塗り込み方が更に出来ると良いでしょう。
沖野会員さまの鉛筆デッサン
一日のみ(2時間半)の参加でしたが非常に頑張りました。
最後に右下の部分に椅子と布を入れて構図が安定しました。
左側の端が弱いので暗いトーンで締めたら頬杖している腕が強調され更に良い構図となるでしょう。
佐野会員さまの油彩画
肌と衣装の華やかさと背景の暗さのコントラストが綺麗ですね。
背景の色面が真っ二つになりましたが人物の配置が左にずれているので構図がバランスよく仕上がりました。
藤原会員さまの鉛筆デッサン
今回初参加となりましたが非常に良く頑張り、人物を小さく入れアトリエの空間を2時間半で描ききりました。
スピーディーに進めながらも観察する時に髪の毛、皮膚、布を質感の違いを認知できると自然と描き分けが出来ると思います。
甲田会員さまの鉛筆デッサンです。
丁寧に鉛筆のトーンを重ねて作り出す色味に魅力があります。
夏に入会したばかりですが、技術力は十分あるので空間の認識が深まると更に画面に厚みが生まれるでしょう。
森会員さまの鉛筆デッサンです。
顔、お面、色面、粗密のバランスが絶妙で新たな才能が発見できました。
デッサン力は枚数を重ねて身につくものなので今後は見る人を引き付ける構図のアイデアをどんどん引き出して欲しいです。
合川会員さまのパステル画です。
2時間半で652×530サイズを描きました。
華やかなトーンが美しく描き途中の部分のぬけが魅力的です。
パステルは色を重ねることで濁らすことが可能なので濁色を作る技術が身につけると更に良いでしょう。
冨田会員さまの鉛筆デッサン
顔の表情がよくデッサンの色幅が良く出ていますが、画面上が良く描けている分画面下が弱くなってしまいました。
この構図だと右下隅にある足を切って衣装の模様を描いた方が良かったかもしれません。
制作時に席を立ち離れて画面全体を見る癖をつけると進行状況が客観的に理解できるので冨田会員さまの細かい描写力が計画的に活かされるでしょう。
種岡会員さまのアクリル画
勢いある筆のタッチが良いですね。
種岡会員さまは家で続きを描き一枚一枚を完成させています。
それぞれの色味が強すぎでしまい線の太さが単調になってしまいました。
背景にモスクを入れお面の配置が良く納まっているので箸休めのような『ヌケ』の部分を取り入れると良いでしょう。
もうすぐドローイング帳一冊が描ききりますので改めて種岡会員さまの人物画をご紹介させていただきます。楽しみにしていてください。
次回は『スーツ姿の男性クロッキー』です。ムービングポーズもありますので初めての方も気軽にご参加ください。
講師 山本 絵里 記