第9回 楽々展 メッツ大賞受賞作 沖野会員の”BAR RYOMA”(油彩)




メッツ絵画教室の小屋です。それでは、第9回 楽々展 メッツ大賞受賞作 沖野会員の”BAR RYOMA”油彩画をご紹介します。非常に力強い画面です!坂本竜馬がバーのカウンターで一杯やっているという意外性、色彩の独特さ、画面全体に溢れるパワー、油絵具の質の魅力、バックに様々な要素を組み入れてもうるさくなく、しかもメッツ絵画教室のモチーフを積極的に利用している点などが高く評価された作品です。光の表現にも工夫が見られ、いかにもバーの空間であるのを演出しております。


酒に酔っているなら顔を赤くしそうなものですが照明を浴びて黄色くした所などに沖野会員の個性的なセンスを感じます。懐に入れた手や刀もリアルです。バックの「人生只有酒」も上手いアクセントですね!


竜馬の下半身、特に袴の部分は講評会の時、高岡校長先生より「もっと足が入っているように描きましょう。自分も袴を穿いてみて足がどうなるのか実感するとか」とご指摘がありました。色彩的には複雑でとても良いです。バックのカウンターの木の色や床の色の凝りに凝った表現をご覧下さい。


左のバックにはスポットライトを浴びたグラスや瓶、缶などが棚に並んでいます。実はこれらは殆どがメッツ絵画教室のモチーフです。竜馬が飲んでいるのは焼酎のようです。モチーフを大切にする姿勢も好感が持てます。


右のバックは帆船や広重の浮世絵、舵やビール、コーラです。竜馬にちなんでいるようでもあり、あまり関係が無いような感じもある微妙さが魅力のモチーフ達です。青がそれらのモチーフを引き立たせています。以前、丸山会員もやりましたが、浮世絵って油彩で描いてもなかなか面白くなりますね。


楽々展校長講評会で、作品について解説する沖野会員です。今回の受賞をバネにして、ますます質の高い絵を描かれるのを期待しています!

沖野会員よりメッツ大賞受賞及び楽々展についての感想文を頂きましたのでここで掲載いたします。
【先生方、会員の皆様、楽々展おつかれさまでした。
展示作品も多種多様で、いろいろな表現をみることができ、面白く参考になりました。
そして、この度は光栄にも、「BAR RYOMA」をメッツ大賞に選定していただき、
ありがとうございました。最高に嬉しく、今後の励みになります。
本作品を描くきっかけは、横浜に実在するバー「RYOMA」に、
会社の先輩に連れて行かれたことでした。坂本竜馬ファンが集う店です。
(因みにその先輩は高知県出身です。)
私は以前、小屋先生の「フォービズム」のゼミに参加した際、非常に面白いと思い、
「実際の色と全く違う色使いで、何か描きたいなぁ」と考えておりました。
そこで、「『RYOMA』に飾ってもらえるような絵を描こう。」と考え、楽々展までの完成を目指し、ド派手な坂本竜馬に挑戦するに至りました。
また、本作に着手しはじめた時期から、メッツの教室内に友人が増えました。
本作品を描くモチベーションを維持できたひとつの要因です。
先生方の「楽しみですね」の言葉もそうでした。
いろいろなことが、本作品を完成させる要素となりました。
メッツ大賞も実は、まわりの皆様のおかげだったのです。
今後も楽しんで描いていきたいと思います。会員の皆さん、お互い楽しく描きましょう。
お互い楽しんで“楽々”です。
ありがとうございました。】