矢野会員さまのデッサンご紹介



 
こんにちは講師の佐々木です。
今回は矢野会員の鉛筆デッサンを紹介します。
 
 
 

ドット柄の布をひいた台の上に、黒い石と木製の鳥の置物が置かれている
シンプルな設定のモチーフです。モチーフがシンプルな分その位置関係や
質感の描写がとても重要になってきますが、とても繊細にそれらを
描き分けられています。特に石の質感は重量が感じられるくらい、
しっかりと描き込まれていますね。また、木製の鳥の置物も表面の
艶の具合や塗装された色の違いもしっかり描き分けられています。そして、
その石と鳥の置物の間にある空間も実際に15センチくらいあるのが良く
分かりますね。
 
また、画面構成としては主役のモチーフ以外の面積が広いですが、
見せどころのトーンから上手にフェードアウトさせているので、余白が
気にならずにモチーフを見る事が出来ますし、むしろ画面の外に続いていく
ような広がりが感じられますね。鉛筆の発色の魅力を最大限に活かした、
とても絵画的な作品になっています。
矢野会員の次回作がとても楽しみですね。