夏の美術史スライドゼミ「ゴッホの世界」熱く盛り上がりました!



メッツ絵画教室の小屋です。
2008年8月10日(日)午後5時より「夏の美術史スライドゼミ『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの世界』」が開催されました。大勢の会員さんに参加して頂いて大変盛り上がりました。まずは配布資料を皆さんと読んで、ゴッホの大まかな人生をおさらいしました。


導入部ですが、会員のみなさんはしっかりと資料を読まれました。スライド鑑賞前の重要な時間です。


色々なゴッホの参考文献もご紹介させて頂きました。私が手に持っているのは「ゴッホの手紙」翻訳本の第一巻です。


いよいよスライドがスタートしました。ゴッホの初期のデッサンから始ります。これはゴッホが模写した、ミレーの「晩鐘」のデッサンです。その執拗なまでに付けられたタッチが凄いです。


農家の老婦人が縫い物をしている所を描いた淡彩画です。ゴッホは絵を描き始めた頃にこのような農民の生活を描いた作品を多数残しています。


ゴッホの初期の油彩画です。やはり農民の顔を何枚も描いていた頃の作品ですね。


初期油彩の大傑作「馬鈴薯を食べる人々」です。その複雑な構成と色彩には参加者の会員さん達も驚かれていました。


そしてゴッホのシンボルとも言える「ひまわり」です。この作品には近代絵画の幕開けとなる表現があり、それを詳しくお話しました。

真夏日でしたが、普段あまり知られていないゴッホのもう一つの姿を知って、みなさん更に熱くなり(笑)、「目からウロコ」状態だったと思います!

聴講された丸山会員がさっそく感想をよせて下さいましたのでご紹介します。

「今回はゴッホのスライドゼミということで、お話を聴くにあたり、今自分がゴッホについてどれほどのことを知っているのかを考えてみました。
 鮮やかな色彩と大胆な筆致が印象的で、日本でもゴッホ展を企画すればたちまち行列ができるほど知名度のある作家ですが、美術史上の意義や制作の姿勢などに関しては意外とあいまいな知識しかありませんでした。
 スライドゼミでお話を伺い、そうしたもやもやが解消され、より深い理解をもって作品を鑑賞する事ができるようになりました。
 最初は牧師の道を志したこと、わずか10年ほどの画家人生のうちに実に多くの作品を描いたこと、初期は色彩よりも圧倒的にデッサンに重点を置いた制作をしていたこと、共同生活していたゴーギャンはゴッホの弟テオからの生活費をアテにして同居に同意していたこと(笑)、テオのゴッホに対する寛大な援助の数々…
 生前は認められていなかったにしろ、『天才』にのみ与えられる壮絶な人生だったことを改めて知りました。
 農民たちの労働を賛美し、その苦悩を醸し出す厳かで静粛な表現は、エネルギッシュで明るい色彩の《ひまわり》連作などと比べてみても、ゴッホの別の一面だったのですね。
 一見、大雑把に見える作品も、ひとつひとつのタッチがきちんと計算され繊細に描かれていて、ゴッホが不安な精神状態の中で何を描きたかったのか、その部分が少し分かった気がします。

 貴重な初期のデッサンを含めた沢山のスライドも見せていただき、たっぷりとゴッホの知られざる世界を堪能できた2時間でした。
 小屋先生、今後も様々な美術史講義の企画を是非よろしくお願いします。ありがとうございました!」

南雲弘子会員からも感想を頂きました!
「今回のゼミでゴッホの絵画を多数スライドにて鑑賞し、新たなゴッホの魅力についてきづかされました。時系列に作品をみていきながら、秀作から一つの作品を作り上げる過程、時代背景やその時の画家の心情と隠されたテーマ、構図や筆致について、画風の移り変わっていく様子がよくわかりました。その時々の流行を取り入れ、また当時として改革的な画法でゴッホは新進気鋭な人物であったことには驚きです。まるで映画をみているようで一時間半たっぷり楽しめました。」

大澤篤子会員からも感想を頂きました!
「今回のゼミに参加して、ゴッホについては多少の知識はあったつもりでしたが、ゴッホが絵描きを志してから2年もの間デッサンに没頭していた事、構図の取り方やマチエールが当時としては凄く斬新だったこと、一枚の絵を描きあげるとそれを見ながら同じような絵を何枚も描いた事、弟テオの援助によって絵具やキャンバスに不自由しなかった事など、なんとなく不思議に思っていたこともスッキリして楽しい2時間でした。早速、娘を誘って損保ジャパン東郷青児美術館の『ひまわり』を観てきます。」

皆様、素晴らしい感想をありがとうございました!これからも機会を見つけて様々な美術史講義を行いたいと思いますので、またよろしくお願いします。